記事内に広告を含みます

ひとのおもちゃとっちゃだめ!そんな叱り方してない?【1歳〜2歳編】

ひとのおもちゃは取っちゃダメでしょ?なんで叱ったらいけないの?
もちろん叱る必要がある時もありますが、保育士の観点からすると、立派な発達です。保育園ではたくさんの子どもたちと一緒になります。おともだちのおもちゃを取ってしまう事もあるでしょう。けど、発達に合わせた環境作りで防げ、大人都合で起こしてしまっている場合もあるんです。発達と対応方法について私の考えをお話ししていきます。

「そのおもちゃほしい!」は立派な発達

まずは、「そのおもちゃが欲しい!」と思えるようになった事はとても大きな成長です。

 

しかし、2歳後半くらいまで言葉の獲得は発展途上です。なかなか自分の気持ちをうまく言葉にして伝える事ができません。

 

どう言ったら伝わるのかな?

 

どう言えばそのおもちゃで遊べるのかな?

 

「かーしーてー」

 

と言うことをまだ知らない子どもは自分で取りに行くしかないですよね。

 

保育園では月齢差が大きい

保育園では4月生まれ〜翌年3月生まれが同じクラスになるので、最大で1年近く月齢が離れます。

 

日々少しずつ成長していく子どもにとって数ヶ月の差でも発達の差は大きく、特に1歳〜2歳児クラスは「貸して」と言える子、言えない子が交じるクラスです。

 

たくさん持ってるでしょ!はNG

「沢山持ってるんだから貸してあげなさい!」と叱る先生を見ることがありますが、私はあまりいい叱り方とは思いません。

 

その子は、「今」「その時に」「沢山」持っていたいんです。

 

それくらい沢山確保してやっと満足できるんです。

 

沢山持っていたいのに「沢山持ってるんだから!」はその子の思いに寄り添った言葉とは思いません。

 

「かしてー」「やだー」

「かーしーてー」と言うお友達に対して、おもちゃをすぐに貸してあげる。

 

ここまで書いてなんですが、使ってるおもちゃをすぐに貸してくれる子は少ないでしょう。

 

普段は遊ばないおもちゃでも「お友達が使ってる」というだけで魅力的なおもちゃに見えたりします。

 

また、もう飽きてきたおもちゃでも友達から欲しいと言われるおもちゃはまだ渡したくなくなったり。

 

隣の芝生は青いといいますが、大人も人が使ってるもの、欲しがるものって、「いいものなのかも」と思ってしまう事ありますよね。

 

間にママや保育者が入ることができることがベストですが、「やーだ!」と言われてそれでも無理やりおもちゃを取ろうと手が出てしまう事もあります。

 

即座に間に入れば叱る必要なし

 

手が出てしまう時にすぐに間に入ることが出来れば叱る必要なく解決できる事もあります。

 

おもちゃを使ってる子に別のおもちゃを提案してみたり、貸して欲しい子どもが使っていたおもちゃを提案してみたり。

 

「あ!電車のおもちゃが向こうにあるよ!楽しそう!あれで遊ぼう!」

 

のような、おもちゃで遊んでいた子が魅力的に思えるような声かけが理想的です。

 

他の手段としては、

 

「じゃぁあと5回遊んだたら貸してあげようか」

 

と、子どもとお約束して一緒にカウントしてあげると貸してあげやすくなる子が多いです。

 

間に入れたら教えるチャンス

間に入るメリットはもう一つあります。

 

お友達とのやり取りのコミュニケーションをこちらの都合のいいように教えられる事です。

 

例えば

 

「やーだ」じゃなくて、「今使ってるよー」ってお返事するんだよ。

 

とか、

 

無理やり取らないで、「かーしーてー」って言うんだよ。

 

とか、

 

貸してくれたら「ありがとう」って言うんだよ。

 

とか。

 

短いやり取りの中でも沢山教えたい事があります。

 

間に入る大人も精神を削られる時もありますが、何回も繰り返すとお友達同士で解決できるようになってきます。

 

その姿が理想的ですよね。

 

「貸して」って言えた子、貸してくれた子はどちらも全力で褒めてあげてください。

 

1人の時間を保証してあげる

我が子の保育園は、1部屋に10人が自由に遊んでいて、自分でおもちゃを確保しても油断するとすぐ他の子に取られてしまいます。

 

自分の確保したおもちゃを守るのに必死で遊びこめていない様子がありました😢

 

間に保育者がすぐに入る事ができれば解決できるのですが、それができずに無法地帯。

 

これではお友達との関わり方を教えられませんよね。

 

では、そもそもこのやりとりを起こさないためにはどうしたらいいのか。

 

それは、1人の時間を保証してあげる事です。

 

保育園の設備や体制、保育士の手腕によるところが大きいですが、1人で遊べるパーソナルスペースを確保し、1人で集中して遊べる環境を作ってあげることが大切です。

 

可能であれば、ござやマット等、何かで空間を仕切れるとそれぞれの遊びのスペースが明確になり、パーソナルスペースを確保してあげることができます。

 

自分が満足しないと人に優しくできないのは大人も子ども同じ

大人も自分に余裕がないとき、人に優しくする事ができない時がありますよね。

 

感情のコントロールがまだ未熟な子どもはもっとそうなんです。

 

3歳〜4歳くらいまでは脳の発達が未熟で、欲望のコントロールができず、自分で感情を抑える事ができません。

 

「なんで言うこと聞かないの?!」

 

とカッとなってしまいがちな場面ですが、

 

「まだ子どもで欲望を自分で抑えられないんだからしょうがない」

 

と子どもの気持ちを受け止め、少し諦めた気持ちを持ちながら対応すると少しだけ気が楽になりますよ。

 

脳の発達が未熟で、脳が発達中の大事な時期に

 

「どう対応すれば良いか」

 

「貸してあげて感謝された時の気持ち良さ」

 

を沢山知ってもらいたいと願っています。