共同注意と三項関係の違いについて説明します
目次
共同注意は三項関係の始まり
まずは共同注意(きょうどうちゅうい)について簡単にご説明します。
共同注意とは
(ママと子どもで)同じものに注意(注目)すること
似たような言葉で「共同注視(きょうどうちゅうし)」とも呼ばれます。
順を追って説明していきますね。
共同注意の育みには二項関係を育むこと
二項関係について簡単に説明すると、
自分 対 ママ
自分 対 もの(おもちゃとか)
など、1対1で完結する関係をいいます。
ママと僕で遊ぶ。おもちゃと僕で遊ぶ。
そんな関係を二項関係と呼びます。
共同注意の始まりはこんなこと
共同注意の始まりは”「他者(ママ)の見るもの」に興味を持つ事”から始まります。
「ママは一体何を見ているんだろう?」
自分が大好きなママ。
「ママは一体何をみているの?」
そんな思いから始まると言われています。
この時、大事なことは二項関係でしっかりと信頼関係を築いておく事です。
極端な例でいうと、
「全然知らないおじちゃんが何見てるのか全く興味ない」のと一緒です。
二項関係で培った信頼関係で赤ちゃんはママが大好きで、とっても興味を持っています。
そんな大好きなママは一体何を見ているのか。
ママが見ている方と同じ方向を向いたら共同注意の始まりです。
その時はママが見ているものを声に出して教えてあげてください。
共同注意は三項関係への架け橋
二項関係から共同注意をするようになり、三項関係が始まります。
ここで、いよいよ三項関係のお話しをしていきます。
三項関係とは、図で説明すると以下のような関係です。
上記は例を交えた図形ですが、
ちょっと例をだして説明していきますね。
「あー!あー!」と子どもが指をさしてママの方を振り返りました。
(特別意訳:「ママ!見て!ワンワン(犬)がいるよ!」)
「え?これがなんなの?」
と思うかもしれませんが、これが、三項関係です。
早い子は1歳前くらいから出てきますが、
「物(例では犬)」に対する要求を大好きな人(ママ)に伝えたくなり、指差しをしながらママとコミュニケーションを取ろうとします。
「犬がいる」という事実を「自分」が見つけ、大好きな「ママ」と共有したいからママに伝える。
三項関係の関わり方
ママの関わり方としては、まだ言葉を獲得できていない子どもに「共感」してください。
具体的には
「そうだね。ワンワン(犬)がいるね」
と子どもの心の声を代弁してあげましょう。
これだけで十分です。
その事によって子どもは「あれは「ワンワン(犬)」なんだ」と言葉を獲得していきます。
そして、三項関係で共感する事にはもっと重要な意味があります。
三項関係を育む事で、言葉を使ったコミュニケーションを育んでいくだけではなく、特定の大人との信頼関係も築いていきます。
大事な事は二項関係で「大好きな人」の関係をつくり、三項関係でより深い信頼関係を築いていく事です。
自分が言葉になりきらない思いをママが代弁して
「わんわんがいるね」
と共感してくれる。
この“共感してくれた”という空気感が子どもに良い影響を与えます。
繰り返すうちに
「この人はぼく(わたし)のことをわかってくれる人だ」
と、信頼関係がより深まっていきます。
でも、わからなくても、間違ってたってそこは大きな問題ではないんです。
受け止められ、共感してもらえる空気感を感じてもらう事が大事なんです。
三項関係でどんな子になるの?
三項関係で受け止められ、共感してもらえる心地良さを知った子は
次はこう考えていきます。
「自分も人を認めてあげたい」
「自分も受け止めてあげたい」
この気持ちが、人を思いやる気持ちに繋がり、人に優しくなれる子になると言われています。
まずは受け止められる心地よさを沢山感じさせてあげてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。